小論文対策+コラム - 早稲田生が贈る言葉 -
- 第18回 時事焦点FOR小論文 第一講 アメリカングローバリズムに生じる「穴」2 -
ただ、上述の「軍事的覇権を背景にした経済的覇権追求」というアメリカングローバリズムを字句通り現在の国際政治に適用させると、 いささか議論が揺れる。
アメリカは未採掘の資源に目をつけ、石油権益を保守するためにイラク侵攻をしたのだ!という論理を絶対化させれば、「軍事的覇権」主義があくまで 「手段」に過ぎないというアメリカングローバリズムは腑に落ちる。
かつてソフトバンクと結託してライブドアよりも前にテレビ局(テレ朝です。)を買収しようとした、世界に冠たる メディア王ルパート=マードックだって「アメリカの侵攻のメリットは世界的に石油価格が下落すること」と言っていたから、 この侵攻はグローバライゼーションに必要な各国の「自発的」承認をも誘起する可能性を持っていた。
だけど実際は、侵攻後原油価格は高騰し、今なおも不安定な価格変動をきたしている。
これがアメリカにとって、想定の範囲内だったか不測の事態だったかはわからないけれど、先日ライス米国務長官が 上院外交委員会のイラク問題に関する公聴会でシリアがイラク南部のシーア派勢力を中心に復興支援を妨げる軍事支援を 行っていると述べて外交圧力が奏功しなければ軍事手段も辞さない方針を示唆したように、イラクに続く非・民主主義、 「ならず者」の芽は摘み取っていくスタンス(姿勢)を取ってきている。
イラク戦後、アメリカでは経済活動が活性化したが、これは戦争特需というよりもブッシュの減税政策による成果だったと言われている。 そこから考えても、テロとの戦争、ならず者国家との戦争、第二次ブッシュ内閣で言うところのアウトポストオブティラニー(専制国家群)との 戦争は直接的に「経済的覇権追求」とは結びつかない、価値観、イデオロギー、正義感による広義のアメリカングローバリズムであると言える。
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