小論文対策+コラム - 早稲田生が贈る言葉 -
- 第15回 小論文の心得2 -
筆者はあくまで「ブルジョワ市民という性質を持った国民が形成した時代」という「社会システム論」を 唱えたのにも関わらず、「社会システム」の中の「個人」論に、それも「個人」論の中でも特にミクロな 「教育論」に絞り込もうとしているのだ。
この展開はより具体的で良いと思われるかもしれない。
だが、結論を出すその前に解答の後半部を見てみよう。
「近年社会は『普通の人』であることを疎んじる風潮になってきている。例えば『官僚的』というと、 今で没個性的な、面白くない人という印象を多くの人が持つ。しかし、与えられた仕事を、正確にこなすという 層の人間は社会にとって必要であり、『個性』教育の圧力によって、その存在が軽んじられることは不当である。 これから大事になる教育政策の方向性は、人と違うことを賞賛するだけでなく、むしろ「人と同じ」だが、 しかし立派な仕事をしている人たちが、自分たちのあり方に対して誇りを抱けるような、排他的でない、 新しい個性重視のあり方だと思う。」
まず、結論が「個性教育の是非」というごく一点の論点に集中しすぎている。恐らく、読み手からすれば、 突然でてきた「普通の人」「個性」「教育」という言葉にすら当惑を覚える。
説得的な文章をつくることこそが、小論文の至上命題。
頭の中には、常に
- 「何故その論点を出すのか?」
- 「その論点と問題文との間には強い相関関係があるのか?」
- 「その言葉は適切か?」
ということを意識しなければならない。
特に3番目は大切だ。
例えば「普通の人」という言葉は常に論争的だ。何をもって普通とするか?経済水準?知的水準? 「普通」というのは水準の「平均値」なのか?それとも「大多数」という意味なのか?
消化しきれていない言葉を容易に使っていって、そういう言葉同士が解答中に広がり始めたら 「赤信号」だということを気にして欲しい。
小論文は「暴走」する己の「妄想」、すなわちエゴを抑制する作業でもある。
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